建築実例
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家族構成ご夫婦+1人
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所在地一宮市
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延床面積93.16㎡ (約28坪)
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UA値0.43W/㎡・K
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C値0.23㎠/㎡
緩やかに閉じ、緩やかにつながるところ
周囲の環境は落ち着いた住宅地です。南西には道路があり、他に接する境界は迫って住宅が建っています。そのような環境で外部からの目線を気にする事なく、穏やかに日常を過ごすことがご要望として伺っていました。
建物外観は周囲に対しての圧迫感を抑えるため高さは低くし、デザイン的には奇を衒わない落ち着いた印象になるように配慮しました。外観は比較的閉鎖的な印象になっていると思います。その外観の印象から一転、室内に入った時に開放感を最大限感じてもらえるような計画としています。
プランは将来的に1Fで生活が完結できるような構成になっています。
そこにL字型に配置されたLDKとそこに付随する吹き抜けや中庭が特徴になっています。壁で囲われた中庭は周囲の視線を切るように設け、でも光や風を最大限取り入れるために設けられています。
吹き抜けは空間に広がりを与え、視線が上に伸びるように設けています。
また、上下階とのつながりを確保するためにも重要な役割を担っています。
帰宅時には2way導線を確保し、お客さんは正面から、家族はシューズクロークを通り、手を洗って綺麗になってから部屋に入る導線を確保しています。
家事については洗濯動線を楽にすることを考え、「洗い」→「干す」→「畳む」→「仕舞う」が最短で済むような動線としました。
機能面とは別に、可能な限り広がりのあるLDKを確保するために、個室は最小限機能を満たすものとしています。このように空間にメリハリをつけることで、家族が快適な時間を過ごせるようになったと思っています。
そのような空間で家族が穏やかに過ごせることを期待しています。
建築家/稲沢 謙吾(Kengo Inazawa)
1969 石川県生まれ
1989 東京都立品川高等技術専門校 建築設計科 卒業
1989-2000 株式会社古平真建築研究所
2001 椙設計室一級建築士事務所設立
お施主様のお宅を訪問しました
こちらの住まいを建てたご夫婦に、実際の住み心地や気に入っているところなど、率直な感想をお話していただきました。また、建築家のエピソードについても触れておりますので、ぜひご覧ください!
周囲の視線に配慮した中庭は、明るく解放的な大開口を実現します。
吹き抜けはたっぷりと日差しを取り込みながら、家の中の空気を循環させ、快適な居住環境を作ります。
キッチンの腰壁にラワン材を使用。ラフな素材の表情が、キッチンを空間に馴染ませます。
リビングから見えない位置の階段下デッドスペースに、冷蔵庫とパントリーを配置。
キッチンの生活感をなくしながら、使い勝手は確保しています。
森のような深い緑色でアクセントを加えた書斎。リラックスできる環境を作り出します。
設置する場所のサイズに合わせて、鉄職人が手作りで製作しているアイアン手すり。