インタビューコラム

2023.05.29

中庭のある一階完結型の家【お施主様インタビュー vol.3 前編】

家族構成 ご夫婦+1人
所在地 愛知県一宮市
建築工法 木造軸組工法 2階建て
居住年数 3ヶ月

お引渡し後のお家定期点検(3か月)に建築家・稲沢謙吾先生とお邪魔してきました。
プライバシーの確保と開放性を限られた坪数で可能にしたお家です。
実際にお住まいになられてからの感想を交えてのトークをご覧ください。

 

リビング・ダイニングから連続するプライベートな中庭空間


【ダイニングとリビングに面した中庭空間はご主人お手製の木製デッキのプライベートテラスに様変わり、こちらも室内の無垢オークフローロングとの連続性が美しい。】

(稲沢) 有効に使えそうですか?この中庭って。

(ご主人) ちょうど手を入れやすい大きさでいいですね。

(奥さま) 気軽にお昼とかを外で食べたりできるのがいいですね。

(稲沢) あんまり周りの目は気にならないですか?

(ご主人) 全然、気にならないですね。目隠し壁のおかげで目線がカットされているので、外を通っている人の声や音は聞こえてもこちらからは気にならないですね。

空間に調和する造作壁キッチンと丸テーブルを用いたダイニング空間


【手元を隠したキッチン腰壁はラワン合板張り仕上げに、キッチンに面したハイサイドライトには障子を入れられていて木質感の調和が心地よい。】

(稲沢) この障子は入れられる予定でしたっけ?

(ご主人) あとでサイズを測ってオーダーして取り付けました。

(稲沢) 全体の雰囲気にすごい合っていていいですね。取り付けも?

(ご主人) 取り付けは自分たちでやりました。

(稲沢) このラワンも完璧ですね。素晴らしい。

(河合) こちらは仕様決定の提案の中で決まりましたね。

(稲沢) ラワンを提案されたのはどなたですか?

(奥さま) 最初、キッチンはステンレスのオープンキッチンがいいなと思ったんですけど、あまりに手元が見えすぎるのが気になって、腰壁にしようとなったときにラワンなら費用を抑えてできますよって話もして頂いて選びました。

(稲沢) あえて小口(素材の断面)を見せるというおさまりもいいですよね。

(河合) ご主人様がDIYとかをされるというお話も合って、もしささくれがでてきてもお手入れされながら暮らされると思ったので、思い切って提案してみました。

(奥さま) すごくいい提案を頂きました。

(稲沢) これどんどん色が濃くなって、すごく味が出てきてよくなると思いますよ。注文された食器棚も合っていますね。

(奥さま) もともと小さい方はアパートの時から使っていたんですけど、新築建てるときにもう少し大きいのが欲しいなって、桐箪笥とかのリメイクをされているところにオーダーして作ってもらいました。

(稲沢) これいいですね。収納量もありますね。

(奥さま) 引き出しの数とか、取っ手部分とかもオーダーできてよかったです。

(稲沢) パントリーの開放感もありようもいいですよね。棚とか中のものも結構意識されていますか?見えてもいいようにとか。

(奥さま) 最初は白い棚だったんですけど、見えるのであえて木の棚にしたり、収納の小物とかは古道具屋さんとかで選んでいますね。

(稲沢) これは全然見せてもいいですよね。

(奥さま) タカラスタンダードさんのキッチンもマグネットが効果的に使えてすごくいいです。

(河合) 木とステンレスで物を統一されていてきれいですよね。

(稲沢) 1個1個の素材は実は、全部同じもので揃ってないのもいいですよね。なんかそれが気持ちいいですよね。なんか、雑木林みたいな感じで、いろんな種類のものが調和してそこにある感じがすごくいいです。

(奥さま) 家電とかも先生が見せたいわけじゃなかったら片づけられるように、奥にしまっておくように提案して頂いたのもよかったです。ちょうど死角におさまるようになっていて。

(稲沢) これすごいいい。おさまり方がきれいで感動しますね、笑。

(河合) ダイニングテーブル上の照明もすごくいいですね。

(稲沢) 丸テーブルもすごい座りもいい。丸テーブルは探すの大変でしたよね?

(奥さま) そんなにお金をかけているわけではないですけど、ネットで探して見つけました。

(稲沢) ランプと丸テーブルがすごく合っていていいですよね。

(河合) 先生の打合せの中で提案されていたブラケットライトも採用していますね。

 

リビングから玄関へとやわらかく光を届ける開口部


【リビングの壁上部の四角い開口部は中庭越しのあかりを玄関に届ける役割を担っている。今は飾り棚としても兼用している。】

(稲沢) 玄関とリビングをつなぐ開口部の高さって高いとか低いとかって感じたことありますか?

(奥さま) これがなかったら玄関がとても暗かったかなって思うと本当にあってよかったですね。
高さも高さすぎると思ったことはなくて、ちょうどいい感じに丸見えにならなくていいですね。


【階段部分に本棚を設けたいという要望に高さや下地との関係をもとに検討される稲沢先生】

(河合) そういえば前に先生に聞いてみたいことがあるっておっしゃっていましたよね?

(奥さま) 聞いてみたいことっていうか、先生が階段に大きな窓をつけて頂いたじゃないですか。私は普段本を読もうと思っても寝ちゃうん出すけど、笑。主人と娘が本を読むのが好きでちょうど階段が明るくて座って読んだりできるかなと思って、本棚みたいな棚を壁につけることってできるんですか?この窓がとても気持ちがいいので。

(稲沢) 石膏ボードに取付を直接行うのは難しいですけど、柱や間柱とか下地があるところを探してつけることはできると思いますね。届く高さですよね。

(河合) 先生がプランニング中です、笑。

(稲沢) そんなにたくさん置くわけではないですよね。僕なら端から端まで棚をつけるよりも、部分部分でつける感じがいいと思いますよ。

 

将来的な要望に対応するフレキシブルな2階空間


【将来的に分割する予定のフリースペース、今は子供の遊び部屋に。吹抜に面した手摺部分にはご主人お手製のスノコを用いた落下防止柵が設えている。】

(河合) 2階も見せて頂いてもいいですか?ご主人様お手製の手摺の落下防止柵が素敵なんですよ。

(稲沢) お邪魔します。

(河合) 将来間仕切りにしたことでとてもフレキシブルな使い方ができていていいですね。

(稲沢) だってまだ、少なくとも5-6年はこのままでもいいですよね。

(ご主人) いろいろ物を置き換えて模様替えができて、それが新鮮で遊びやすくていいですね。

(河合) この棚もつくられたんですか?

(ご主人) もともとこれ奥さんが前のアパートの時にDIYでつくったTVボードを流用しているんですよ。

(河合) 2階って先生からの提案で天井高を抑えて通常の2.4mよりも15㎝低い2.25mにしていますが、違和感とかはないですか?

(ご主人) 全然ないですね。逆にリビングとダイニングの開放感を感じられるので、上にくると籠った感じで、1階と吹抜でつながっているのでいい感じです。

(稲沢) この吹抜を見下げた感じもいいですね。


【2階には籠り部屋をテーマにしたご主人のプライベートスペースも計画されている。】

(河合) ご主人様のプライベートスペースはどうなっていますか?

(ご主人) そんなに進展はなく、今はゲームも下でやっているので、たまに息抜きするスペースですね。ウイスキーとかって常温で置いておけるじゃないですか。デスクの上にいつかグラスとボトルを置いて、とかってやろうと思います、笑。

(稲沢) 1階がみんなつながっているので、籠り部屋って感じでいいですね。

(ご主人) 景色もあんまり気にしてなかったですけど、先生がおっしゃっていた夜とかあの先の竹林とかがいい感じに見えて、夜の景色を楽しんでいます。

【プライバシー配慮がなされたダイニングのハイサイドライトからは時々刻々と自然光が差し込む】

(稲沢) 今日来るときに感じたんですけど、1・2階とも比較的建物の高さを抑えているんですよね。他のお家の高さに比べて。外から見たときにそれが角地に建っているのをみて、住宅地に一石投じられたような感じになっていて、この高さ設定はすごく重要ですよね。夜の状態も見てみたいですね。

(ご主人) ちょうどダイニングの照明をつけていると吹抜全体に光が広がって、外から見るととても柔らかくて、明るすぎない光が充満している感じで家族が居る感じがいいですね。

(稲沢) あぁ、いいですね。この雰囲気を持続できそうなのがいいですね。ケミカルな部分が少ないのが、安心できますね。センスがいいので、全部おまかせできますね、笑。

生活動線を紐解いた回遊性のある玄関と土間収納スペース


【玄関脇のモルタル土間収納は可動棚で用途に合わせてリメイク可能なスペースにしている。】

(稲沢) 今、靴は布をかぶせてあるところに入っているんですか?

(ご主人) そうですね。3人分まとめていっぱいって感じなので、まだ少し余裕があります。帰ってきてこの土間に物を置いてすぐ後ろが洗面で手が洗えるっていうのが、動線的にむちゃくちゃ使いやすいですね。

(稲沢) この手洗いの位置ってどうですか?習慣づきますか?

(ご主人) だれが見てもこれいいねってなりますね。うちの親もリビングにきれいな状態ではいって来れるのがいいねってよく言われます。

 
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