インタビューコラム

2023.06.05

中庭のある一階完結型の家【お施主様インタビュー vol.3 後編】

家族構成 ご夫婦+1人
所在地 愛知県一宮市
建築工法 木造軸組工法 2階建て
居住年数 3ヶ月

― ではまず、河合工務店を知ったきっかけは何でしたか?

(奥さま) 最初にお家づくりをするってなってコンビニに売っているスーモ東海版の雑誌を見て、そこに河合工務店さんが載っていて、その中からなんとなく気になった会社さんを何社かルーズリーフに書き出していって、その中で知ったのがきっかけですね。

(稲沢) じゃあ、何社かあったんですね。

― 大手の建築会社さんのような無料プランでなく、建築家による有料プランは不安ではなかったですか?

(奥さま) 佐藤さん(河合工務店スタッフ)が契約する前に自分も河合工務店で家を建てたってお話を聞いて、よかったら見に来てくださいって言ってくださったので行かせてもらって。そのときの行ったときの感じがすべてで。不安がなくなったというか。こんな素敵なお家で家族のみなさんが数年経ってても幸せに暮らされている様子を見て。そこでとても信頼ができるなって感じて。それで、お金がかかるとかそういう不安とかは全然なくなりましたね。

(ご主人) そこで大まかなこう流れというか聞けて。こちらの質問にも答えてもらえて。その時点でもう決まり、という感じでしたね。

(稲沢) へー、そうなんだ。そういう経緯がある中で僕が登場するっていうのって緊張するよね、笑。

(河合) 何でですか、笑。でも、稲沢先生に来て頂いたのは本当にいい出会いですよね。

― 全国に100名近くいるアトリエ建築家の中で選定させて頂いて進めさせて頂いていますが、誰になるだろうか、っていう不安はありましたか?

(奥さま) そうですね。それは正直誰になるのかっていう不安はありましたね。でも、佐藤さんから稲沢先生になりました、ってお聞きして、私、結構ググるのが好きで。特に写真を見てて、先生が短髪のときと髪が長いときとってどっちなんだろうとか。今までの建築事例とか写真を見させて頂いて、その中で集合写真というか実際にプランニングされているご家族との写真があって、その佇まいというか、表情から、よしって思いました。で実際お会いしてもより一層素敵な先生でよかったです。

(河合) そこはR+house本部の方とも暮らしのカルテの要望や土地の状況などなど総合的に見て稲沢先生が最適だろうという判断に至りましたね。

(稲沢) そういうのも巡り合わせというか、大事にしなければいけないですね。年取ると本当に思う。

― 建築家との打合せに向けて、先生に会う前に担当スタッフと事前準備をする中で分かりにくかったことや不安なところはありましたか?

(奥さま) ピンタレストでイメージを共有したり、暮らしのカルテを書いて佐藤さんと共有できたのが大きいですね。自分たちの家づくりははじめてなので、引き出しがないというか、アイデアが自分たちからうまく出せるわけじゃないというのは不安でしたけど、打合せをするにつれてそうしたこともうまく引き出して頂いてうまく伝えられたかなと思います。

(稲沢) そうか、自分の方から発信する術がないという感じなんですかね。これで本当にいいのかな、っていう不安とか。それはありますよね。

(奥さま) そうですね。

― 事前準備の中で暮らしのカルテの書き出しの作業自体は大変ではなかったですか?楽しく書き出せましたか?

(奥さま) あんまり、記憶ない、笑。昨日、見返してみたんですけど、すごく楽しそうにやってる感じがしたので、大変ではなかったんだと思います。

(ご主人) 僕は仕事終わって帰ってきて、ちょっと落ち着いた時間にしか話し合いをできなかったんですけど、でも話合いがしっかり出来たのはよかったですね。

(河合) お互いにご夫婦で敬いあって気遣っていらっしゃっているのが垣間見えてとてもいい暮らしのカルテに仕上がっていましたよ。

― 実際に先生との打合せをしてみていかがでしたか?

(ご主人) 最初はどんな方なんだろうっていう不安と期待が混ざったような緊張感があったんですけど、くだけたお話からして頂いて、でも本当に細かく自分たちのライフスタイルというか生活の中身を時系列で聞いて頂いて、それを改めて自分たちで振り返るのも、大変なことではあるけどこれが本当に大事なことなんだなっていうのはよく分かりました。実際に住んでからもあぁ、そういう意味だったなっていうことも気づきました。

(稲沢) やっぱり最初、期待と不安と割合で言ったらやっぱ不安の方がでかいですよね。正直ね。そこからスタートしてどういう風にそれを僕らは挽回するかというか、どれだけ気持ちを正直に吐いてくれるかという環境づくりが大切だと思っていて。多分、それを素直に受けて頂いて、あんまり飾らずというか、ヒアリングが盛り上がっていて、何時間やりましたっけ?3時間オーバーくらいですか?

(河合) 4時間くらいでしたっけ?

(稲沢) やりすぎですね、笑。でも、ちゃんと盛り上がったからできるんですよね。

(ご主人) 2回くらい休憩入れていましたよね。

(稲沢) 最初緊張しました?

(奥さま) 最初すごい緊張しましたね。でも途中から、和らいだというか、先生のトークで、笑。気を遣わずに正直にいろいろとお伝え出来た気がします。

(ご主人) あれだけ綿密にやって頂いたので今の暮らしの苦労がないというか、快適に暮らせています。

(奥さま) 朝起きてから、一日の流れを聞いてくださっていたじゃないですか。仕事に復帰したりして、正直分からないなりにもそのときにできる限りのことを想像して伝えたのが、いまとても活かされている気がします。

(稲沢) あぁ、そうふうに動いているなって感じですか。

(奥さま) 朝起きて、夜のお弁当詰めてとかあの時話した一日が今始まっている気がします。

(稲沢) イメトレしておくのって大事ですよね。

― それを踏まえて今実際に住んでみて、このお家の気に入っているところはどこがありますか?

(奥さま) 坪数は結構ぐっと抑えているんですけど。先生に最初に打合せで「坪数を気にするか」それとも「坪数は関係なく体感的にのびのび感じられる気持ちがいい方がいいか」どちらがいいですかって聞かれて、二人とも後者を選んで、大きい吹抜ではないけど全体的に間取りがオープンにつながっている感じが、ちょっとずつプライベートも確保されているけど家族がつながっている感じが好きです。私はキッチンに立っている時が一番好きで、
娘がリビングで玩具で遊んでいて、主人は私がお願いしたことを土間で作業してくれたりしながらも家族全員の気配が感じられるのが好きです。

(稲沢) そこに立っているときってなんとなくね。みんなの気配が感じられやすいですからね。だから設計していると自然とキッチンが家の真ん中にくることが多いんですよね。だからそれが具現化されて感じてもらえているのがうれしいですよね。

(河合) ご主人が土間でDIYができるようにして欲しいっていう要望があったじゃないですか。そこって今も要望通りに活用できている感じはありますか?

(ご主人) そうですね。割とものを置いても狭いってことはないですね。2WAY動線なので通路の邪魔にもならないですし、コンセントも近くにあったり、要望どおりにできあがっていて満足しています。

(稲沢) 自転車も置けてますしね。

(ご主人) そうですね。

― 現在の全体的な住み心地はどうですか?

(奥さま) 最高です。家族がもともと仲いいですけど、ちょっとした時間が楽しくて、全部が何していても楽しいです。だから、住み心地は最高です。

(稲沢) 家ができる前は休日の過ごし方って外出が多かったですか?今は変わりましたか?

(奥さま) 外にリフレッシュしに行こうっていうのもありますけど、私が働きだしたってのもあって、家で楽しく過ごす時間は増えました。アパートの時は考えられなかったですけどね。ベランダがあっても活用できる外部空間ではなかったですし。

(ご主人) なんとかして時間をつぶさなきゃって思うことがアパートの時は多かったですけど、朝ご飯をゆっくり食べて、緩く過ごす休日が心地いいですね。仕事があるときも効率的に動ける動線計画なのですごく住み心地がいいですね。

(河合) 家の暑い、寒いとかはどうですか?

(奥さま) 一番寒い時期に引っ越ししたけど、1階のエアコン一台をずっとまわしてれば、寒いってことはなく快適に住めていましたね。アパートにいたときに同じ暮らし方をしていたらもっとすごかったんだろうなって思いますね。家の性能がある程度保たれているからかなって思います。

(稲沢) アパートの時に比べてボリュームがぐっと増えてますけどね。

(奥さま) でも、エアコン一台って思うと気持ちいいですよね。特に家に帰ってきたときにすごく快適だなって思います。

― もともと無垢の床がいいってお話もありましたけど、無垢の床は実際に住まわれていかがですか?

(奥さま) とにかく気持ちいいです。絶対採用したかったので満足しています。娘が時折、玩具をガンガンしたりして傷もつきますけどそんなに気になるような傷にもなってないですね。

(ご主人) 最初はそこを気にしていましたけどね。気にならないですね。気持ちいい方が勝っていますね。

(稲沢) これからの季節もこのオークの床材って気持ちいいですよね。

― これからどういう風にこのお家で暮らしていきたいですか?

(奥さま) もともと木が好きなので、年数とともにいい味が出るように、自分たちとともに成長していけるといいと思います。

(ご主人) 子供の成長や自分たちのライフスタイルの変化に合わせて自分たちで手を加えて住む家をつくっていければいいと思います。

(稲沢) その余地がある家ってことですかね。自分で言っちゃうけど、笑。
でも、経年変化を受け入れられる器って感じるので、最初から完成形でなくて、今から作る家って感じるし、そういう素材も選ばれているので、どんどん味付けしていってもらえればって、期待させられる家ですよね。

(奥さま) 植栽もね。中庭もこれから、どんどん緑を増やして気持ちいい空間にしていきたいですね。

― 一階完結型ということで寝室を一階にして感じることはありますか?

(奥さま) とにかく、楽というか。老後のことを考えてということですけど、子供が小さいときにも抱っこしてとか、寝かしつけてからも楽ですね。廊下を通ってすぐ寝室なので、アパートの時だと、よくある間仕切りタイプの空間だったので、音とか光とかを気にして真っ暗の中でゲームしたりとかしていましたけど、今はTV、映画とか普通に観れるようになったので、過ごしやすくなりましたね。

(稲沢) この距離感もちょうどいいんでしょうね。

(ご主人) 声もそんなに落とさなくてすみますし。前は結構気にしていましたからね。

― ダイニングの吹抜は何かプラスに感じられることはありますか?

(奥さま) 今回のプランニングで私たちの希望としてはお伝えしてなかったですけど、先生の提案して頂いたのですが、吹抜って聞くと冷暖房コストがよくないよとか、音が響くとかデメリットが多いイメージだったんですけど、いい感じに娘と主人が2階で遊んでいる声が聞こえながら私が料理することができるとか、ママ見て見てって娘が覗いてくれたり、吹抜の窓から本当に心地よい自然の光が入ってくるのも気持ちいいですね。

(稲沢) 吹抜の意図って、上と下をつなげる装置ってのもあるんですけど、それがすごく機能しているんですね。

(ご主人) 上からも下の様子が伝わるのもいいですね。

(稲沢) 私、あまり吹抜の下にダイニングを置かないんですけど、上から見下ろしたのも写真映えしますね。こういう形につながるのもいいですね。ダイニングの先に庭があるのもいいですね。家の中から家の中を見えるのもちょっと不思議な感じですね。

― 最後になりますが、これから家づくりをされる方へのメッセージをお願いします。

(奥さま) みんなはじめてのことでいろいろ悩むこともあると思うんですけど、なんか素直に気持ちを伝えてもらうとプロの方がいろんなアイデアを出してくださるので、どんどん言った方がいいと思います。

(ご主人) そうですね。家族でしっかりと話して取り組むことが大事だと思います。

帰り際の外構植栽の様子。
家のシンボルツリーは先生にご提案頂いた“カツラ”を植樹その他にも低木と地被植物のバランスが絶妙に外部空間を彩っていました。