音階の家
「リズム感のある暮らし」
階段の踊り場をひろげてできあがったような不思議な畳スペースはLDKの中に変化のある小上がり空間として機能している。
また、畳スペースに面して連続した窓がきれいに並ぶことで水平方向にも連続する窓が空間に伸びやかさをもたらしている。
縦にも横にも変化に富んだリズム感のある空間となっていて、窓を開ければ存分に明るい日差しが差し込み、憩いの場となる。
「猫との暮らしを想定した家づくり」
とにかく音楽が好き。それから猫が好き。
だから、つねにその存在を感じられるようにリビングにはキャットウォークとレコード収納棚を兼ねた造作家具を設えた。
今では当初と違うけど、遊びを交えた使い方ができている。
「家具のいらない暮らしができる」
小上がりの畳スペースはリビングに隣接してソファの代わりもなしている。
腰かけたり、ごろ寝したり、居場所でありながらさながら家具でもある。
低めのカウンターを使えば書斎スペースにもなる。
うちの子たちは窓から外を眺めるのがお気に入りの様子。
「キッチン脇のスタディスペース」
キッチンは司令塔。ここにいるとすべてが見渡せる。
部屋のどこかに欲しかったスタディコーナーはキッチンの横に配置した。
壁にはプリント類を貼って、窓台には好きなものを飾る。
袖壁がちょうどいいお籠り感があってこじんまりとしたプライベート空間。
「吹抜を伝って、つながるということ」
畳スペースの上部には階段とつながる細長い吹抜空間がある。
寝室に設けた開口部と畳スペースは縦につながる家族の気配を伝える役割を担っている。
南面に設けた窓から壁をつたいながら、奥の方へ光が拡散していく。
「切り取られた壁、もうひとつの窓」
端部を欠きとられた壁は家族の気配を伝える装置であるとともに、煙突効果で1階の暖気を2階に届ける役割も担っている。
意匠的にだけでなく、性能面でも吹抜を活用できるのは高気密高断熱の家だから可能になった。
「大きなランドリールームで家事を愉しむ」
“とにかく家事が楽にできるようにしたい”
洗濯から収納までの一連の作業がここですべて終わるように、家事室も兼ねたランドリールームとした。
北側に設けた窓からは日中でも安定した柔らかい光が入ってきて清々しい。
「猫との暮らしを踏まえた仕掛け」
階段下をヌックとして活用して、入口をラウンドアーチでシンボリックにその奥に小さな窓を設けて、外が覗ける仕掛けに。
2階には猫穴を設けて、空間を気ままに徘徊できるような仕掛けをいろんなところに施している。
「アクセントタイルの洗面」
全体的に落ち着いた空間が好き。
洗面部分にはマットなタイルを色違い、異なる向きの組み合わせでこの家ならではのオリジナルアクセントタイルとした。
間接照明の柔らかい光とあいまって、こだわりの空間になった。
住み続けるごとに家族のよろこびが増えていく。
そんな住まい日和。
[建築概要]
愛知県春日井市
2022年12月お引渡し
敷地面積 158.37㎡(47.91坪)
建築面積 63.76㎡(19.28坪)
延床面積 102.68㎡(31.05坪)
UA値0.43W/㎡K
C値0.2㎠/㎡
動画版_住まい日和もぜひご覧になってください。