【住まい日和】 足あとが増えていく家
「普通がいい、奇抜でなくていい。」
はじめに、どんな家がいいか、と聞かれた。
明確なイメージはすぐにはわかなかったが、とにかく“普通”なのがいい。
特別なにか奇をてらったデザインとかには興味が湧かなかった。
とにかく飽きのこない、今のままでゆったりと流れるように暮らしたい、そう思った。
「ぐるぐるまわれる、抜け道がたくさんある」
提案して頂いた2つの回遊動線があることで、ぐるぐるといろんな経路ができて、スムーズな家事動線が可能になった。
子供たちも走りまわって家じゅうすべてが遊び場になっている。
「もうひとつのリビングでは外遊びを満喫」
リビングサッシからつながったウッドデッキはやや広め。
ウッドデッキと合わせた屋久島地杉を使った木塀は高さ1mほどで、少し目線を下げると外からは見られないプライベート空間になっている。
暑い夏は軒先から張ったタープで日差しを避けつつ、毎日のようにプール遊びでおおはしゃぎ。
「マルチタスクな2つに分かれたキッチン」
キッチンは特に形を決めていたわけではないけど、Ⅱ型キッチンという選択肢はなかった。
自然に家族みんながキッチンで役割分担するような形として提案された。
リビング側からもまわれて思いのほか使い勝手はいい。
普通のキッチンより収納量は増え、キッチンをぐるりと回遊するプランのうえでは随分とまわりやすい。
「階段さえも遊び場になる」
将来のことを考えて、寝室はひとつ一階に設けたが今のところ出番はなく、納戸として活用している。
いつか2人が部屋を欲しがるまでは、と今は、家族みんなが2階に集まって寝ている。
2階へのアクセスとなる階段は子供たちの格好の遊び場と化している。
「子供の成長に呼応して家も育つ」
外壁はベースに金属サイディングを選び、アクセントとして屋久島地杉には木材保護塗装(エコ・ウッド・トリートメント)を採用した。
塗料の性質から時間の経過とともに木材そのものの素材感がより色濃く際立ってきた。
地窓のさきに植えたシンボルツリーのシマトネリコもぐんぐんと逞しくなっている。
「キッチンからの眺めが一番好きな場所」
なんだかんだ一日で一番いる場所。
料理をするときも食事をするときもほっと一息着くときも、すべてが見渡せるこの場所が好き。
はじめは大きな玄関の地窓が気になっていたけど、今では大きくなったシンボルツリーのシマトネリコを眺められるピクチャーウィンドウとして気に入っている。
階段を昇り降りする家族の様子も見えて、いつでも一望できる。
「ソファがないおかげでリビングは広々と子供の遊び場になっている」
ダイニングテーブルは木の素材感にこだわったものを選んだ。その分リビングのソファはなくした。
無垢のフローリングを肌で感じながら、子供たちと遊んでいる。自由気ままな床座の団欒スペース。
住み続けるごとに家族のよろこびが増えていく。
そんな住まい日和。
[建築概要]
愛知県丹羽郡扶桑町
2020年7月お引渡し
敷地面積 188.36㎡(56.98坪)
建築面積 72.41㎡(21.90坪)
延床面積 95.59㎡(20.91坪)
UA値0.60W/㎡K
C値0.4㎠/㎡