コラム

2022.07.21

ハニカムスクリーンで緩やかに仕切る

ハニカムスクリーンで緩やかに仕切る

念願の家づくりが終盤に差し掛かった頃、多くの方が悩まれるのが窓まわりのカーテン選びだと思います。生地だけでなく、操作する種類もたくさんありますし、従来通りのカーテンだけでなく、ロールスクリーンやウッドブラインド、モダンなバーチカルブラインドなどなど、壁紙とのバランスも含めていろんな選択肢があるので迷われる方も多いと思います。
そこで今回は比較的最近浸透してきた省エネ効果も期待できる「ハニカムスクリーン」についてお伝えしようと思います。

1. 他のカーテン類にはない省エネ効果

ハニカムブラインド 河合工務店 
ハニカム(honeycomb)とは蜂の巣状に連なった構造のことをいいます。写真のように六角形が縦につながってそこに空気の層ができていることで、スクリーンの断熱性・保温性が向上します。一枚の布ではできない。空気の層が断熱材の役割をしてくれることで、冬場は外の冷たい空気が入ってくるのを防いで、暖房であたためた室内の空気を外に逃がさず、室内を暖かく保つことができます。段ボールを冷たい地面に敷いて座ると冷たさが緩和されたりする原理と同じです。多くの断熱材はこの空気をいかに含ませるかがポイントです。このことで窓まわりのコールドドラフトや輻射熱を遮る効果も期待できますし、エアコン効率が向上し、節電にも繋がります。

2. 落ち着いた和のテイスト

省エネ効果 ハニカムブラインド 河合工務店 
建築工事完成直後のサッシのみのすっきりした窓まわりの印象からカーテンをつけるとなんだかもっさりとした印象に変わってしまった。こんなことはよくあると思います。カーテンは洋室のイメージがありますし、遮光とレースを組み合わせた2重のものだったりするとどうしてもある程度の重量感がついてきます。これをスクリーン状のものにすることで随分とすっきりと見せることができます。また和室のような場所にも相性は抜群で、生地が障子のように和紙の風合いなので、部屋に和の雰囲気を取り入れたい、ほっこり和む雰囲気にしたい場合はぴったりです。スクリーンといっても立体なので独特な波状は光を遮るというよりかは和らげる効果が抜群です。

3. 採用するときは色味と大きさには要注意!

ハニカムブラインド 河合工務店 
これはカーテンに限った話ではありませんが、壁やカーテンなどある程度の表面積があるものを選定するときには注意点があります。同じ色でも面積が大きい色は、「面積効果」といって、明度・彩度ともに高く、鮮やかに見えます。小さなサンプルでハニカムシェードの色を決めると、施工後に明るく感じることがあるので注意しましょう。なんとなく、グレーがかった白も全体としては真っ白に近い白に感じることもあります。
また、開閉動作の操作方法もいくつかありますが、スマートコード式を日々使ってみてわかることは比較的大きな窓になると、(目安として幅1.8m×高さ0。9mの畳1枚くらい)あげるとき(開けるとき)に少し重量感を感じます。同じサイズのロールスクリーンの方が割とスムーズに開け閉めできるので、サイズに合わせた選び方がポイントです。ウッドデッキに続く大開口の掃き出し窓とかには、ちょっとした注意が必要かもです。

4. 気になるお手入れの仕方

お手入れ ハニカムブラインド 河合工務店 
よく質問があるのが、お手入れの仕方です。ハニカムスクリーンの弱点として水洗いはできません。なので、凹凸のある部分は写真のように表面の埃を払う感じで、またハニカムの空洞内部に虫が入ってきた場合は、掃除機で吸いながら端部へ取り出すというやり方でお掃除をされる方が多いです。
あとは、窓からの距離も大事です。設置するときにある程度のクリアランスを設けておかないと結露を引き起こすことにもつながるので設置の際は注意が必要です。室内の換気計画も合わせて考えておきたいところですね。
 
 
どんな設備も特徴には一長一短あります。まだまだ一般的には知られていないと感じるハニカムスクリーンですが、高気密・高断熱の省エネ住宅を担う一員として、採用してみてはいかがでしょうか。