一宮市で建築家と建てる新築・注文住宅なら(株)河合工務店「お知らせ・コラム」ページ

愛知県名古屋市で注文住宅を建てることを考えたとき、多くの方が「立地の安全性」や「災害リスクの有無」を重視されるようになっています。特に、ハザードマップを使った土地選びは、家族の安心な暮らしを守るための大切な基準になってきました。

しかし現実には、「どの地域にどんな災害リスクがあるのか分からない」、「地盤の強さをどう判断すべきか迷っている」、「ハザードマップの見方すらよく分からない」という方も少なくありません。この記事では、名古屋市におけるハザードマップの種類や見方、防災の視点から見た土地選びのポイント、さらにリスクを避けた実例までを分かりやすく解説します。

「知らずに建てて後悔した…」を避けるための第一歩として、土地の選び方や防災対策の考え方を学べる内容になっています。読み終える頃には、自分たちの理想の住まいを“安心して建てるための判断軸”がきっと見えてくるはずです。

ハザードマップで変わる土地選びの考え方

家を建てる際に「土地の安全性」を最優先に考える方が増えています。特に名古屋市のように都市化が進んだエリアでは、自然災害のリスクを正しく把握してから土地を選ぶことが重要です。ここでは、ハザードマップがどのように土地選びの判断材料になるのかを解説します。

なぜ名古屋市での土地選びにハザードマップが必要なのか

名古屋市は都市化が進む一方で、海や河川に囲まれた地形的なリスクも抱えている地域です。近年はゲリラ豪雨や台風による内水氾濫、庄内川や天白川周辺の浸水被害も報告されています。こうした背景を踏まえると、「安全な土地選び」をするには、災害リスクを事前に把握することが不可欠です。

ハザードマップは国や自治体が発行しており、水害や土砂災害のリスクを色分けして視覚的に確認できるツールです。名古屋市内でもエリアごとに危険度が大きく異なるため、地価や利便性だけで判断するのは危険です。ハザードマップを活用することで、目には見えないリスクを可視化し、長期的に安心できる土地を選ぶことができます。

自然災害リスクと向き合う注文住宅の基本知識

注文住宅では、設計段階から防災を考慮することができます。地盤や浸水リスクを回避した土地選びとセットで計画を立てることが、将来の安心につながります。とくに名古屋市のように水害リスクが一定程度存在するエリアでは、間取りや基礎構造に工夫を加えることで、被害の軽減が期待できます。

また、防災性能を高める設計はコスト面での不安を感じる方も多いですが、初期投資として考えることで、将来の修繕費やリスク回避につながるメリットが得られます。土地と建物、両方の視点から総合的に判断することで、後悔のない家づくりが可能になります。

名古屋市で確認できるハザードマップの種類と特徴

名古屋市では複数の種類のハザードマップが公開されており、それぞれが異なる災害リスクに対応しています。土地選びに活かすためには、その特徴と違いを理解しておくことが欠かせません。ここからは、名古屋市内で確認できるマップの種類や活用方法を紹介します。

洪水・内水・高潮・土砂災害マップの違い

一言でハザードマップと言っても、災害の種類によって内容や見方が異なります。名古屋市では主に「洪水」「内水」「高潮」「土砂災害」の4種類が用意されており、それぞれが示すリスク範囲や対策の考え方も異なります。
洪水ハザードマップは、川が氾濫したときの浸水予測区域を示しており、特に庄内川や天白川流域では注意が必要です。一方、内水ハザードマップは、排水しきれなかった雨水による住宅地の浸水リスクを表しています。

高潮ハザードマップでは、名古屋港周辺など海抜の低い地域がリスクエリアとして表示されます。土砂災害マップは、斜面地や盛土地における崩落・地すべりの危険度を示しており、名東区や天白区の一部では特にチェックが必要です。以下に、それぞれのマップの概要をまとめます。

名古屋市防災ポータルや国の地図サービスの活用方法

ハザードマップを見るには、名古屋市の「防災ポータル」や国が運営する「ハザードマップポータルサイト」が便利です。どちらも無料で利用でき、住所を入力するだけで該当エリアのリスク情報を確認できます。

名古屋市の防災ポータルでは、水害だけでなく避難所や地震情報も網羅されており、家づくり前のリサーチには最適です。国のポータルでは複数の災害リスクを同時に重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」が利用でき、直感的にリスクを把握できます。土地購入前に必ず確認すべき情報源として、積極的に活用したいツールです。

▶ 名古屋市公式のハザードマップ一覧はこちら

土地選びに活かすハザードマップの見方

「ハザードマップは見たけれど、どう読み取ればいいのか分からない」という方は少なくありません。重要なのは、色の意味やリスクの段階を正確に読み解き、暮らしやすさとのバランスをとることです。ここでは、土地選びに役立つ具体的な見方を解説します。

リスクエリアの見極め方と注意すべき表示

ハザードマップを見ると、地図上に色の濃淡でリスクが示されていますが、その「色」が意味する浸水の深さや危険度を正しく理解することが非常に重要です。
たとえば、同じ「浸水想定区域」であっても、50cm未満と3.0m以上では、被害規模も対策方法もまったく異なります。以下に、よく使われる色分けの例とその意味をまとめました。

浸水リスクのあるエリアでは、土地価格が比較的安い場合もありますが、後々の補修費用や安全面を考慮すると慎重な判断が必要です。色だけでなく、想定される災害種別（洪水・内水・高潮など）にも注目しておきましょう。

災害リスクだけでなく生活利便性とのバランスも意識する

ハザードマップを使ってリスクを避けることは重要ですが、それだけに偏りすぎると通勤・通学や生活の利便性が損なわれる可能性もあります。たとえば「安全な高台」に位置する土地でも、交通の便が悪かったり、買い物施設が遠かったりすると日常のストレスにつながることもあります。

そのため、ハザードマップでリスクを確認する際は、生活動線・公共交通・教育環境といった視点もあわせてチェックするのが理想です。リスクの低いエリアを探すことと同時に、「自分たちが安心して便利に暮らせる土地かどうか」という視点も持つことで、長く快適に暮らせる家づくりが実現しやすくなります。

地盤が強い土地と弱い土地の見分け方

見た目には分からなくても、土地によって地盤の強さには大きな違いがあります。弱い地盤に建てることで将来的なトラブルのリスクも高まります。ここからは、地盤の特徴や調査方法など、安心して家を建てるために知っておくべきポイントを紹介します。

旧河川・埋立地・低地などの特徴を知る

一見同じように見える土地でも、その成り立ちによって地盤の強さは大きく異なります。とくに旧河川跡や埋立地、低地などは軟弱地盤になりやすく、建物の傾きや沈下といったリスクを伴う可能性が高くなります。
名古屋市内であれば、中川区や港区などの海抜が低いエリアでは、こうした地形に該当する場所も多いため注意が必要です。

地盤が弱い場所に建物を建てる場合、補強工事（地盤改良）が必要になるケースもあり、追加の費用負担が発生する可能性があります。そのため、土地購入前には、地盤の歴史や地形的特徴を確認することが非常に重要です。

地盤調査の結果と住宅性能との関係

土地を購入した後、実際に建物を建てる前には「地盤調査」が行われます。これはその土地の支持力（地盤の強さ）を調べ、基礎工事の方法を決定するための重要な工程です。調査結果によっては、地盤補強が必要と判断されることもあります。

下記の表は、地盤調査の種類と、それによって分かることの一覧です。

調査結果によって必要な基礎工事や建築コストが変わるため、事前に地盤の状態をしっかり確認することで、予算オーバーや構造上の不安を避けることができます。

注文住宅でできる水害・地震への具体的な対策

万が一の災害に備えた住まいづくりは、安心して長く暮らすために欠かせません。注文住宅であれば、間取りや構造、設備などで防災性能を高める工夫が可能です。ここでは、水害や地震に備えた住宅設計の実例と工夫を紹介します。

盛土や高基礎などの土地レベルでの工夫

土地そのものの高さを調整することで、水害への備えを強化することが可能です。とくに名古屋市内の浸水リスクがある地域では、建築前の「土地のかさ上げ」が非常に有効とされています。以下に、水害対策として有効な敷地・基礎まわりの工夫を紹介します。

• 盛土：地盤面を高くすることで、雨水や洪水による浸水を避ける
• 高基礎：基礎を高く設計し、建物の床部分を浸水から守る
• 排水計画：敷地内の排水性を高める設計で、浸水の滞留を防ぐ

土地選びの段階でリスクを把握し、建築時にこれらの対策を講じることで、将来的な不安を大幅に軽減することが可能です。名古屋市のハザードマップを参照しながら、こうした対策を事前に検討しておきましょう。

床上浸水を防ぐ間取りと構造設計

建物内部の被害を防ぐためには、間取りや構造そのものにも工夫が必要です。たとえば、水が入りにくい位置に玄関を配置したり、浸水が想定される場所に水回りを避けて設計することが効果的です。
また、1階部分に生活の中心機能を集めるのではなく、2階にリビングを設けるなどの工夫も、床上浸水時の被害軽減に役立ちます。

これらは一見すると特殊な設計のようにも思えますが、名古屋市内で水害リスクのある地域では十分に現実的な選択肢です。土地の条件に合わせた柔軟な設計提案ができる工務店を選ぶことが、安心につながります。

非常時を想定した2階リビングや備蓄スペースの設計

災害発生時に安全を確保できる間取りは、家族の命と暮らしを守るために非常に重要です。2階リビングは、浸水から生活空間を守るだけでなく、日常的にも日当たりやプライバシーの確保といったメリットがあります。

また、備蓄スペースを設けることで、非常時に外出せずに数日間生活できる体制を整えることが可能です。食品や水、懐中電灯などの防災用品をまとめておける場所を、玄関付近や2階ホールなどに計画的に設けておくと安心です。

名古屋市での土地探しと家づくりを安心して進めるには

理想の家を建てるには、土地の選び方と家づくりの進め方の両方で信頼できるパートナーの存在が不可欠です。ここからは、防災面と利便性を両立できるエリア選定のポイントや、地域密着型の工務店を選ぶメリットについてご紹介します。

防災と利便性の両立を叶えるエリアの見つけ方

名古屋市で土地を探す際、多くの方が「災害リスクの少ない場所」と「通勤・通学の便利さ」の両立に悩みます。どちらかに偏ると後悔しやすいため、バランスのとれたエリアを見つけることが大切です。

以下は、名古屋市内で防災性と生活利便性の両方を意識した土地探しにおすすめのエリア例です。

土地の安全性だけでなく、家族のライフスタイルに合った「暮らしやすさ」も視野に入れて選ぶことが、後悔しない家づくりにつながります。

地元工務店のサポートを受けるメリットとは

注文住宅を建てる際、土地の探し方から設計、施工まで一貫してサポートしてくれる地元の工務店に相談するのは大きな安心につながります。地域の災害リスクや地盤の特性、行政の動きにも詳しく、的確なアドバイスが受けられるからです。

また、名古屋市での実績がある工務店であれば、過去の災害事例を踏まえた防災設計の提案や、ハザードマップを活用した土地選定もスムーズです。大手にはない柔軟な対応力や地域密着の安心感は、はじめての家づくりを成功させるうえで非常に頼もしい存在となります。

まとめ

名古屋市で注文住宅を建てる際には、ハザードマップを活用した土地選びがとても重要です。浸水リスクや地盤の強さを事前に確認することで、安心できる家づくりが実現しやすくなります。災害リスクばかりに注目するのではなく、生活利便性や将来の暮らしやすさとのバランスを意識することも大切です。

ここでは、名古屋市で公開されているハザードマップの見方や、土地選び・住宅設計に活かせる防災対策について具体的に解説してきました。もっと安心できる土地や家づくりの進め方を知りたい方は、地元密着の専門家に相談することで不安が解消され、より前向きに住まいの夢へと踏み出せるはずです。