コラム

2024.01.19

KOMAKIショールームの4つのコンセプト

「遊びがあるのに的確」なショールーム
設計者:河合工務店 小林聖明(一級建築士)

河合工務店のKOMAKIショールームは、
「遊びごころがある」「インパクトがある」「でも柔軟性もある」「いろいろためになる」
の4つのコンセプトをもとに設計いたしました。

「遊びごごろがある」
ショールームの中央には大きく面積を確保されたキッズスペースがあります。六角形の広いキッズスペースは、どの打ち合わせテーブルからも見える位置に配置しました。目的は家族の距離感を知るため。打ち合わせ中の親子の関係性を見つつ、家族の最適な距離感を共有することも良い住まいの設計をするための第一歩だと思っています。
家づくりは子育ての場を作るという意味合いも大きいと考え、キッズスペースは隔離せず常にお互いの意識が繋がる場所にあるべきと考えています。子供たちは大きなキッズスペースで自由に遊びます。子供たちの仕草から設計の糸口を見出すこともしばしばです。子供のように形にはまらない、遊びごころのある設計アイデアが暮らしに豊かさを与えます。

「インパクトがある」
交差点の角地に位置するショールームは、外観のインパクトはもちろんのこと、ショールームは入った時の印象も大切だと考えています。ショールームには様々な機能を持たせるための構造模型や建築模型、打ち合わせテーブルやキッズスペースなどが点在しています。モノが多くなると閉塞感も生まれてしまいがちですが、河合工務店のショールームは「抜け感」を意識しています。様々なゾーンが存在しつつも開放性を保つことで、実際の広さよりも大きく感じる設計を心がけました。必要以上の仕切りを作ることなく、お互い干渉しない距離感を作り出し、素材感を統一した造作家具がインテリア空間のインパクトを与えています。

「でも柔軟性もある」
ショールームの打ち合わせテーブルとキッズスペースのベンチの素材と形はリンクをしています。素材と形をリンクすることでショールームに一体感を与え、コンセプチュアルな場を表現しています。敢えて長方形とせず、ひし形の形状とすることで様々な形に変形します。打ち合わせやセミナーなど様々な用途に合わせて形を変えるという可変性を備えています。住宅設計においても、家族構成の変化に合わせて間取りが変わるという「柔軟性」を持たせるということは大切なことだと思っています。

「いろいろためになる」
住宅づくりは様々な知識が必要となります。多くの方が、家づくりは初めての作業となります。全く経験のない新しいプロジェクトに取り組むのですから、いろいろためになる情報があるべきと考えています。ショールームの入り口には、その象徴となる等身大の構造模型があります。住宅がどのような構造で、どのような建材によりできあがっているのかを一目で理解できるよう工夫されています。構造以外にも様々な情報をショールームにてご用意しております。まずは、家づくりの基礎的な知識の共有から始めましょう。

「会社のロゴからつながるショールームの外観」
河合工務店の自社設計によって生まれたリノベーションオフィス。現況の建物の大きさを変えることなく、建築会社のショールームとしてのデザイン的機能を備えました。交差点の角地に位置するショールームのファサードは、街並みの形成に影響を与えます。お店としての看板を大きく掲げることなく、建築会社としての存在感を感じられるものとして設計されています。
ファサードのインスピレーションは、河合工務店の会社ロゴから生まれています。(ロゴの意味については、以下参照)100本の縦の線を象徴とする河合工務店のメッセージをショールームの外観にもリンクさせて表現。昼と夜の表情がライトアップによって効果的に変化するデザインとなりました。ルーバーの素材は、天然の木を採用し経年変化を味わいとして楽しめるようにいたしました。自然の木から伝わってくる優しいデザインは、訪れる人にリラックス効果を与えると考えています。リラックスできる環境は、暮らしの発想をストレスなく引き出します。理想の暮らしづくりの最適な空間となればと考えています。