コラム

2023.07.07

東濃ひのきを使った家づくり

東濃ひのきを使った家づくり

河合工務店では、岐阜県の東白川村で育った「東濃ひのき」を使った家づくりを行っています。人も木も、地域の気候風土に適応して生きる存在であり、地産地消の理念に基づき、身近な場所で育った木を同じ気候風土の土地で使用するのが良いと考えるからです。

桧(ひのき)は、まな板や枡などの道具に使われる身近な材料であり、またお寺や神社の建材としても古くから使用されています。法隆寺や薬師寺の東塔など、1300年以上経った建築物が今でも美しい状態で残っていることから、桧の耐久性や品質の高さがわかります。

東白川村は桧の成長に最適な、気温・湿度・日照・降水といった気象条件が揃っており、寒暖差のある環境によって目の詰まった上質な桧が育ちます。
この地域で育った「東濃ひのき」は、香りが高く、淡いピンク色の美しい木目が特長です。その品質の高さから、伊勢神宮の式年遷宮では外宮の建築用材として使用されています。

河合工務店の家は、その「東濃ひのき」を主要構造部である柱や土台に使用しています。その木材が東白川村の森から届くまでをご紹介いたします。

 

木材が東白川村の森から届くまで

1.桧を育てる(育林)

桧は50年以上の長い時間をかけて森で育てられます。
節が少ないまっすぐな木に育つよう、定期的に枝を払っています。
木製のテーブルや床材などにある茶色く丸い節。木は成長するとき年輪を作りながら幹が太くなりますが、その際、枝の一部が幹に取り込まれます。これが木材として切り出されたときに節となって現れます。節は木が生きてきた証なのです!
桧が木材にできる大きさまで成長したら、伐採・搬出されます。
東濃ひのき

 

2.丸太の取引(木材市場)

伐採・搬出された丸太は、月に2回ほど開催される原木市場に運ばれて売り買いされます。
長さや太さでABCDのランクに選別・仕分けされ、高品質なAランクが建築材に使用されます。
東濃ひのき

 

3.製材する(木材加工)

丸太は製材所(せいざいしょ)で使い道に合わせて加工されます。
機械で原木の樹皮を剥きます。その際に発生する樹皮はバーク堆肥やバイオマス燃料として無駄なく使われています。

製材機械の「ツインソー」は自動で動作し、板や柱など製材します。柱に使われる建材は、乾燥された後にピッタリの仕上がり寸法になるよう、一回り大きく加工します。

木材に含まれる水分の膨張で木材が変形しないように、乾燥庫でしっかりと乾燥させます。高温乾燥(80~120度)で建材を乾燥させれば乾燥時間は短縮できますが、河合工務店で使用している建材は、素材そのものが持つ強度や色合い、香りを損なわないよう「低温乾燥」されたものを使用しています。低い温度で約1週間かけて乾燥させることで、乾燥機で消費する燃料も抑えられ、無駄なエネルギーを削減できます。

トラックに載せて出荷されます。
質の良い地元の木材を使用すれば、輸送時の二酸化炭素排出量が少なくなるため、環境にやさしい選択となると考えます。

 

4.家をつくる(木材利用)

河合工務店の家では、主要な構造部分である土台と柱に「東濃ひのき」を使用し、骨組みを作り上げています。また、壁、屋根、床には強度の高い構造用ボードを使用しており、建物を骨組みと面の両方で支えるハイブリッドモノコック工法を採用しています。この組み合わせにより、強固で耐震性の高い家を実現しています。

この工法は、他の工法と比較して、デザインや形状、間取りなどの自由度が高く、狭小地や変形地など難しい敷地条件にも柔軟に対応することができます。河合工務店の家の設計は建築家が担当しており、この自由度の高さを活かして、家のデザインや形状、間取りなどを工夫しています。建築家の設計力によって、敷地の特性を最大限に生かした美しいデザインの建物が実現されています。

河合工務店の家

 

東農ひのきを使った家

実際に東濃ひのきを使った柱や土台は、建築中のお家を見学できる「建築現場見学会」でご覧いただけます。
詳細はイベントページでご確認ください。